ダイカスト技能士(コールドチャンバー)2級合格のための学習ガイド

2025年3月18日

試験概要 📋

試験の構成
📑 実技試験:製作等作業試験 + 計画立案等作業試験
📝 学科試験:2択25問 + 4択25問(合計50問)
合格ライン:65点以上
合格率:41.3%~69.9%(偏差値44程度)
📅 申請:毎年3~4月
実技試験:6~7月
学科試験:8月末
アルミニウム合金特性
🔍 JIS AC4C(Al-Si-Mg系)
  • Si 6.5-7.5%、Mg 0.25-0.45%
  • 引張強さ215MPa以上
  • 用途:エンジン部品、耐圧部品
🔍 JIS ADC12(Al-Si-Cu系)
  • Si 9.6-12.0%、Cu 1.5-3.5%
  • 引張強さ295MPa以上
  • 用途:複雑形状部品、電機部品
溶解および溶湯処理
🌡️ 温度管理値
  • 溶解温度:ADC12で720-750℃
  • 保持温度:ADC12で660-680℃
  • 鋳造温度:630-650℃
⚗️ 溶湯処理手順
  1. フラックス処理:0.1-0.3%添加
  2. ガス除去処理:窒素ガス 0.5-2L/分
  3. スラグ除去:700℃以下で実施

設計と鋳造 🔧

投影面積計算例
例題1: 単純形状
製品:100mm×80mm、直径20mmの穴が2つ
投影面積 = 長方形面積 - 穴の面積
= (100×80) - (π×10²×2)
= 8000 - 628
= 7372mm²
例題2: 複雑形状
段差のある製品で上面80mm×60mm、下面100mm×80mm
投影面積 = 最大輪郭を含む面積
= 100×80
= 8000mm²
製品の向きにより金型に対する投影面積は異なる。
最大投影面積で計算すること!
肉厚設計の基準
📏 基本肉厚:ADC12の場合、2.5-4.0mm
📏 リブ肉厚:基本肉厚の60-70%
📏 肉厚比:隣接部の肉厚差は1.5倍以内
過剰な厚みは引け巣の原因に!
急激な肉厚変化は欠陥の原因に!
コールドチャンバーとホットチャンバーの比較
項目 コールドチャンバー ホットチャンバー
適用合金 Al合金、銅合金 Zn合金、Mg合金
溶湯温度 630-680℃ 380-450℃
射出圧力 40-120MPa 15-40MPa
鋳造サイクル 40-120秒 15-60秒
金型寿命 基準 約3倍長い
後処理工程の順序
1️⃣ トリミング:プレス機で湯口切断(30-50トン)
2️⃣ バリ取り:バレル研磨(2-3時間)
3️⃣ ショットブラスト:鋼球投射(φ0.3-0.6mm)
4️⃣ 熱処理:T5処理(170℃×2時間)

実用計算と対策 🧮

射出圧力計算
例題: 基本的な射出圧力計算
ダイカストマシンの射出力が150トン、スリーブ径が70mm
射出圧力[MPa] = 射出力[N] ÷ スリーブ断面積[mm²]

射出力 = 150トン = 1,470,000 N
スリーブ断面積 = π × (70/2)² = 3,848.5 mm²

射出圧力 = 1,470,000 ÷ 3,848.5 = 381.97 MPa
型締力計算
例題: 投影面積による型締力計算
製品投影面積が300cm²、射出圧力が80MPa
必要型締力[トン] = 投影面積[cm²] × 射出圧力[MPa] × 安全係数 ÷ 10

必要型締力 = 300 × 80 × 1.2 ÷ 10 = 288トン

→ 300トン以上のマシンが必要
充填時間計算
例題: 製品肉厚と充填時間の関係
製品肉厚が3mm、投影面積が200cm²
充填時間[秒] = 製品肉厚[mm] × 0.003 × √(投影面積[cm²])

充填時間 = 3 × 0.003 × √200 = 3 × 0.003 × 14.14 = 0.127秒

→ 0.13秒程度で充填するよう調整
欠陥対策チェックリスト
欠陥名 原因 対策
巻込巣 射出速度不足 一次速度5-8m/s→12-15m/s
ピンホール 溶湯ガス量過多 フラックス処理量を0.1%→0.2%
引け巣 局部的肉厚過多 オーバーフロー位置変更
湯じわ 低温溶湯 溶湯温度を650℃→670℃
最重要チェックポイント!
製品品質のカギとなる項目
合格のための3つの計算式
📝 射出圧力計算:マシン射出力 ÷ スリーブ断面積
📝 型締力計算:投影面積 × 射出圧力 × 安全係数 ÷ 10
📝 充填時間計算:製品肉厚 × 0.003 × √(投影面積)
これらを確実に理解し、様々な例題を解けるようになることが合格への近道!